【完全理解】和室の壁DIY徹底解説!!漆喰・ペンキ・大壁化編。【ポレポレDIY研究所 第3回】
漆喰はアクとの闘い
3回目になりました、「ポレポレDIY研究所」 。
前回(第2回)は、砂壁を固める 下地処理 がメインでした。
超絶マニアックですが、永久保存版です。
前回の記事は要するに、「壁をどう”固めるか”」の話。
今回はその続き。
固めた下地の上に、いよいよ 「どう仕上げるか」 に踏み込みます。
テーマはこの3つ。
漆喰塗りの工程(アクとのあくなき戦い、再び)
ペンキとスプレーガンの使い分け
大壁化の段取り
下地処理が終わった前提で、その先の話をしていきます。
まだ下地の話を読んでいない方は、第2回から読んでもらえると流れがつかめるかと思います!
今回も、DIYDAO(築古戸建てDIYerが400人近く集まっているコミュニティ)の研究会で集まった知見と、私自身の失敗談をベースにまとめていきます。
それでは、いってらっしゃい!
1. 漆喰塗りの工程:アクとのあくなき戦い
塗り壁の質感は、壁紙では絶対に出せません。
私も漆喰は何度も施工してきましたが、漆喰が塗られた壁はなんだか特別感があります。素人でも違いはわかります。
漆喰風の壁紙って、フェイク感がぬぐい切れないんですよね…。
漆喰の仕上がりはすばらしい。
ぜひ、漆喰で施工をしたい…!
ただし。
砂壁に漆喰塗りDIYには、手ごわい敵がいます。
それがアクです。
始めてしっくいを塗り、アクに絶望している動画はこちらです。
1-1. 砂壁に直接塗ると、茶色いシミが浮いてくる
砂壁の上に下地処理なしで直接漆喰を塗ると、しばらくして茶色いシミ(アク)が点々と浮いてきます。
せっかく真っ白に塗ったのに、数日後に見たら茶色い斑点だらけ。
これ、DIY初心者がやりがちな悲劇なのであります。
だから漆喰の前には、アク止めシーラーを塗る。
…のですが、ここからが厄介。
アク止めシーラーを塗っても、それを突き破ってアクが出てくることがあるんです。
特にひどいのが仏間。
長年お線香を焚いてきた壁は、ヤニとアクが奥まで染み込んでいて、シーラー1回くらいじゃビクともしない。
さらに、厄介なのがベニヤ板や木下地。
こいつらからは、確実にアクが出てくると思ってよいでしょう。
つい最近私も漆喰を塗ったのですが…。
一部下地がベニヤ板の箇所がありました。
まあ、シーラーを塗れば大丈夫っしょ!
と、高をくくっていたのですが見事に…
見事に…
絶望します。
このアクはつい先日のもの。何度もしっくいを塗ってきた慢心、おごりから油断していた…。
漆喰塗りとは、文字どおりアクとのあくなき戦いなのであります。
1-2. 「下地を変えてしまう」
ではどうしたらよいのか?
ポイントは下地の素材。
コンパネ・ベニヤなど”木”の下地:結局アクが出る
汚れた砂壁:アクが出る可能性がある
石膏ボードの下地:アクが出ない
全面パテやアンダーコートを施された壁:アクが出ない
つまり、砂壁にアク止めを重ねて祈るより、いっそ石膏ボードを貼ったり全面パテやアンダーコートが施された上に漆喰を塗るほうが、一発で勝負がつく。
アクとの戦いに勝てないなら、戦場(=木の下地)そのものを変えてしまう。
確実に仕留めるなら、こっちのほうが良い。
ちなみにこちらがアンダーコート。
漆喰が20kgで4,000円くらいなので、漆喰よりも高いんですわ。
だから買うのを躊躇してしまうんですが、でも結局漆喰の下地処理はアンダーコートがコスパは良かったりする。
アクが出そうなところにはアンダーコートを一旦塗ることをおすすめ。
1-3. 継ぎ目はメッシュ
下地が決まったら、塗る前の仕込み。
これは、下地が石膏ボードの際の話ですが。
左官仕上げのときは、ボードとボードの継ぎ目に全部メッシュテープを入れる。
なぜここまでやるか。
下地は時間とともに微妙に動くので、メッシュを入れておかないと、その動きで漆喰にヒビが入るんです。
地味な工程ですが、ここをサボると数ヶ月後にヒビ割れと戦うことになります。
1-4. 塗りの実際と、漆喰選び
下地処理が終わったら、ようやく塗り。
漆喰は基本、下塗り→上塗りの2回塗り。
コテで均一に塗るのには、それなりの技術が必要。
壁紙より手間がかかるし、難しいし、時間もかかる。そして臭い。
漆喰選びは、ざっくり2系統。
① 自分で練るタイプ(安い)
私の定番は大和しっくい。20kgで約4,000円とコスパ最強。1〜2袋で1部屋いけます
ただし、海藻が入っているらしくめちゃくちゃ臭い。家じゅうがひなびた漁港の香りに。1週間くらいは磯の香りが続くのでご注意を
https://aibisangyo.shop-pro.jp/?pid=101531139
左官系の資材はアイビ産業さんのサイトで買うことが多いです。
② 練り済みタイプ(楽だが高い)
タナクリームやうま〜くヌレールなど。18kgで約1.4万円と一気に跳ね上がる
そのかわり練る手間がなく、臭いも少ないとのこと(私はもっぱら大和しっくい派なので、ここは伝聞です)
なお珪藻土は、下塗り不要のものもあってDIYしやすいらしいのですが、私は珪藻土は施工したことがないので、ここも「らしい」止まりで。
漆喰の鉄則:アクを断ちたければ、シーラーを重ねるより「アンダーコートで縁を切る」。アクとの勝負は、戦う前に決めておくのが正解。
2. ペンキとスプレーガンの使い分け
「漆喰は手間も時間もかかるし、臭いはキツい…」
そういう方には、ペンキという選択肢。
3大仕上げ(壁紙・漆喰・ペンキ)の中で、塗ること自体は一番カンタンです。
ただし、ここにも砂壁ならではの落とし穴があります。
2-1. ローラー塗り:カンタン、でも砂壁直塗りは剥がれる
ペンキの基本はローラー塗り。
水性塗料をトレイにとって、2〜3回塗れば終わり。色のバリエーションも無限。
ただし、砂壁の上に直接塗ると剥がれてきます。
実は私、砂壁にカチオンシーラーを塗ってからペンキを塗ったことがあるんですが…
下地の砂壁がボロボロだったせいで、結局ベリベリ剥がれてきました。
シーラーを塗ろうが、下地そのものがボロボロなら意味がない。
ペンキも結局、下地処理で勝負が決まるのは漆喰や壁紙と同じなのであります。
2-2. ローラーの限界と、電動スプレーガンの登場
状態の悪い砂壁だと、ローラーで押した瞬間に砂がボロボロ崩れて、塗るどころじゃない。
そこでDIYDAOで「圧倒的に楽」と推されたのが、電動スプレーガン。
※注
この商品が良いかどうかは、使ったことがないから不明。
未だにスプレーガンは未経験なので、実際に買ってどの商品が良いか検証したいと思います。
噴射して吹き付けるので、ローラーのように壁を”押さない”。
だから崩れやすい砂壁でも、上からふわっと塗料を乗せられる。
一般的なメリット・デメリットも整理しておきます。
メリット
広い面積を短時間で均一に塗れる。ムラやはけ跡が出にくい
天井や凹凸の激しい面も一気にいける
デメリット
養生が命。塗料が飛び散るので、塗らない部分は徹底的に養生する
塗料を希釈しないと、粘度が高いと詰まる
不要なところにも飛ぶので、塗料の消費量が多め
使用後すぐ洗わないと、ノズルの細かい穴が詰まって次に使えなくなる
2-3. 使い分けの目安
ざっくり、こう使い分けています。
道具 向いている場面 ローラー 狭い部屋、少量、状態のいい壁 電動スプレーガン 広い面積、天井も塗る、凹凸の激しい砂壁、複数部屋を一気に
1部屋だけならローラーで十分。
でも何部屋もある築古戸建てを攻めるなら、養生の手間を差し引いてもスプレーガンのほうが圧倒的に速いとのことです。(ここも伝聞)
3. 大壁化の段取り
最後は、更に発展形。
柱を隠してフラットな壁にする、大壁化の段取りです。
こちらは、DIYDAOのしろいぬさんの作品。
しろいぬさんのYouTubeはこちら
https://www.youtube.com/channel/UCQ1pcnF2ygbJllAxQf-5YXA
これが大壁化。ナウでヤングになっている。
第1回で「真壁か大壁か」という考え方は解説したので、今回は具体的な手順に絞ります。
「大壁化=大工事」のイメージがありますが、真壁から大壁にするのはDIYでも十分可能。
流れはこうです。
3-1. 手順5ステップ
① 砂壁の上に胴縁を縦に流す
胴縁という細い木材を、柱に沿って縦方向に取り付けます。これがボードを留める下地。ピッチは455mm(約45cm)が目安。
② 胴縁の間に断熱材を入れる
グラスウールやスタイロフォームを充填。ここが大壁化の最大のうまみで、古い和室の「冬寒い・夏暑い」を根本から改善できます。
まあ、分厚いものは入れられないので気休め程度ですが…。
③ 石膏ボードをビスで貼る
胴縁の位置を狙ってビス打ち。下地の位置は、ボードの両端+幅80cmあるなら真ん中あたりが基本。縁に下地がなければ、柱のほうに斜めにビスを打つのもあり。
こちら、人生で初めて貼った石膏ボード。雑すぎるのはご愛嬌ということで…。
④ 継ぎ目をメッシュテープ+パテで処理
1章と同じく、継ぎ目と角はメッシュ。動いてもヒビが入らないように。
⑤ 好きな仕上げを乗せる
クロス・ペンキ・漆喰、お好みで。
3-2. 実は、大壁化は「漆喰」と相性が最高
ここで1章とつながります。
石膏ボードはアクが出ない下地。
つまり、大壁化してボードを貼った時点で、漆喰の最大の敵”アク”が消えるんです。
「砂壁にどうしても漆喰を塗りたいけどアクが怖い」という人にとって、大壁化は遠回りに見えて、実はアクとの戦いを丸ごと回避できる近道でもあるのであります。
3-3. 大壁化の注意点
いいことずくめに見えますが、デメリットも正直に。
1人で天井近くまで石膏ボードを持ち上げるのは、普通にしんどい(できれば2人作業)
部屋がほんの少しだけ狭くなる(壁の厚みが増える分)
真壁の風情は完全に消える
なので、立派な柱や床の間がある渋い物件は、大壁化せず真壁のまま仕上げだけ更新するほうが魅力的。
番外編:砂壁を全部落とす派
ちなみに、砂壁を全部落としきるという方法も。
ただ、これはこれで相当な重労働。集塵機で吸ったり、水をかけて落とす方法もありますが普通に大変です。
おわりに:仕上げは「アクとの戦い」
今回は、和室の壁を仕上げる3つの工程を解説しました。
ざっくりまとめると、
① 漆喰 → 高級感は最強。ただしアクとの戦い。勝てないならアンダーコート等で縁を切る
② ペンキ → 一番カンタン。状態の悪い砂壁はスプレーガンが救世主
③ 大壁化 → 断熱まで一気に上がる。ナウでヤングな見た目になる。
そして、第1回から通底するシリーズの鉄則。
和室の壁は、表面の仕上げより”下地”で勝負が決まる。
漆喰のアクも、ペンキの剥がれも、根っこはすべて下地の問題。
逆に言えば、下地さえ制すれば、あとは好きな仕上げを乗せるだけなのであります。
これで、第1回から続いた和室の壁シリーズは、ひとまず完結。
下地処理から仕上げ、大壁化まで、ひと通り走り切りました。
ここまで読んでくださったみなさん、本当にありがとうございます。
また、実際に和室の施工をする際に思い出して読んでいただけると幸いです!
そして次回。
いよいよお待ちかね、「和室の床編」 に続きます。
畳の上に敷くだけの最速洋室化
クッションフロアとフロアタイルの使い分け
床がフカフカなときに疑うべき”床下”の話
壁を制した次は、足元です。
それでは、ご安全に!
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